カメラのオートモードを卒業する技術(露出編)

こんにちはshuheiです。

先日、カメラのオートモードを卒業する技術として、まず何をどうしたらいいのか、特に何の説明もなくつらつらと話したのですが、本日は、この設定いったい何をどうしてるの?ってことをお話ししようと思います。

これで今日からマニュアル露出マスターですね。やったー。

 

露出

結局のところカメラの撮影設定って何をしてるのか?
それは露出を決めています
露出というのは写真の明るさのことを指します。これはカメラの基本用語なので覚えておきましょう。露出。露出。露出……。

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オートモードではカメラがいろんな基準で明るさを判断(これを測光といいます)して、露出を決めてくれてるんですね。
マニュアル露出、マニュアルモードで、私は露出を自分で決めているんだ、ということを覚えてください。

基本的な絵づくりの考え方

写真撮影は、被写体、構図、露出の3つを選択、決定することが基本的なプロセスです。
ここでは被写体と構図は決まったとして、露出の決め方、つまり絵づくりの考え方を僕なりに考えてみます。

絵づくりにおいて考えるべきは、ブレのコントロールと、ボケの量が大きなところかなと思います。細かい部分では他にもありますが(ピント位置、ゴーストフレアの管理とか)、大きくはこの2つ。
せっかく一眼レフや一眼ミラーレスカメラで撮影するならトロトロにボケた写真を撮りたい!つまりどれくらいボカすか決めたい!ってなると思うけど、違う、そうじゃない

どんなにいい構図だったりどんなにいい被写体であろうと、意図せずブレている写真、ピントが合っていないでは全部台無しになってしまうんですよね。

だからまず最初に考えるべきは、ブレのない絵を作ること。
当然、スポーツ写真などで躍動感を表現したくてあえてブレを起こすことはあるけど、つまりブレをコントロールするということ。

そしてその次に、どれくらいのボケを作るか?ってこと。これは好きにしたらいいです。背景情報がまったく必要ない時はめちゃくちゃボケるようにしたらいいし、パンフォーカスといって、すべてがくっきりきっぱり写っているような写真にしたからったらボケの少ない設定を選べばいいですね。

さて、このブレのコントロールとボケの量。これらを設定するのがそれぞれシャッタースピード絞りです。

シャッタースピード

シャッタースピードはシャッターが開いている時間のことです。1秒間シャッターが開いていればイメージセンサーは1秒間起きたことを記録するし、1/1000秒間しかシャッターが開いていなかったら、感覚的には瞬間を切り取った写真になります。

このシャッタースピードを遅くしたり速くしたりすることで写真内のブレのコントロールをします。

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例えばこの写真はシャッタースピード10秒で撮影しています。この10秒間で通った車のライトが光線、軌跡となって記録されています。

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こちらの写真は噴水の写真ですが、1/8000秒という極端に速いシャッタースピードで撮影しているので、水飛沫の一つ一つが点になって記録されています。

シャッタースピードでコントロールしたいのは被写体のブレもありますが、三脚を使わない手持ち撮影の場合、手ブレを抑える意味もあります。風景のように被写体がブレない場合は手ブレとの戦いになりますね。
一般的には1/{レンズの焦点距離}シャッタースピードを選べば手ブレは起きないと言われていて、焦点距離50mmのレンズの場合は1/50秒まで、焦点距離200mmの時は1/200秒ということですが、最近のカメラやレンズは手ブレ補正機能がついているので、さらにその倍、50mmで1/25秒、200mmで1/100秒くらいまではブレずに撮れる印象です。

ただ、手ブレ補正は手ブレはある程度抑えられても被写体ブレは抑えられません
なので僕の場合はあんまり手ブレ補正に頼ることはないですね。暗い室内で料理の写真を撮ったり、三脚禁止の場所で夜景撮影をする時には重宝します。

さて、シャッターが開いている時間、イメージセンサーに光を取り込んでいるので、シャッタースピードが遅ければ明るい写真になり、シャッタースピードが速いと暗い写真になります。

絞り

絞りを調整することでボケの量が変わります。一眼レフや一眼ミラーレス、特にフルサイズのカメラを初めて購入したら、ボケ味の綺麗な写真撮ってみたいって思いますよね。わかる。

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たくさんボケた写真にしたいなら絞りを小さく、ボケの量を小さくしたいなら絞りを大きく設定します。

絞りも写真の明るさに影響します。
絞り込めば暗くなりますし、絞りを開放にすれば明るくなります。

ISO感度

ここまでシャッタースピードと絞りを設定してきましたが、この2つに関しては絵づくりに大きく影響のある設定です。
にもかかわらず露出にも影響してしまう為、何も考えなければ明るすぎてしまったり暗すぎてしまったりと適正露出で撮影できない場合があります。

そこで設定するのがISO感度です。
ISO感度は、センサーがどれくらいの光を受光できるかを設定します。
ここまでの設定で暗くなってしまったらISO感度を上げて明るくなってしまったらISO感度を下げます

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ISO感度は露出を調整する為の設定ですが、ISO感度を上げすぎると光の量が増えますがノイズも増えてしまいます。マイクのボリュームを上げると小さい音も拾えるようになるけどノイズも増えてしまうのと同じですね。
後処理でノイズを見えにくくすることはできますが、それでもなるべくならノイズがない方がいいので、できる限り小さく設定したいですが、そのせいで適正露出よりも暗い写真になってしまったり、シャッタースピードを遅くして意図しないブレた写真になってしまうくらいならノイズが多少あってもブレていない写真の方がいいんじゃないかなと思います。

露出をコントロールしてマニュアルマスターに

さて、かなり深掘りして露出決定のプロセスを説明してきました。
ここまでの説明で、結局なんでマニュアルモードで撮りたいんだっけ?みたいな疑問が出てくるかもしれません。

マニュアルモードでの撮影はブレとボケをコントロールし、写真の明るさも自分で決めて撮影することができます
ブレとボケについては先ほど説明した通りです。しかし明るさが厄介で、カメラは今センサーに写されている露出が明るいか暗いかしか判断してくれないのです。
たとえば、夜明け前の薄明が始まる直前、カメラが勝手にそれでは暗いからと昼間と同じような明るさの設定で撮影してしまったら、薄暗い雰囲気を表現したい撮影者の意図とカメラの適正露出とでギャップができてしまいます
こういったことが起きないように、自分で露出を決めて、自分が残したい写真表現を選択できるようになりましょう。

今日はこの辺で。