雪の京都を撮影する技術

こんにちは、shuheiです。

前回、雪の京都を撮影しましたという記事を公開しました。その時に撮った写真がこちらなのですが、

f:id:shuinout:20220124224849j:plain

Nikon Z 6, NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR, 5.0s, F6, ISO 100

この写真を撮る為に、結構試行錯誤したのでそのあたりお話しますね。

 

shuinout.hatenablog.jp

 

 

使用機材

まずは使用機材です。

特筆すべきはGODOX TT685N、スピードライトです。

スピードライトは雪の撮影には必需品です。
こちらは、単三電池4本で動くスピードライトなのですが、もしみなさんが購入されるのであればリチウムイオンバッテリー式の物を購入することをオススメします。
このあたりは、いずれきちんとスピードライトの選び方は記事にしようと思います。色々考えないといけないこと多くて面倒臭いんですよね、スピードライト。

まずはなんとなく撮った1枚

現場に着いて、まずはそれっぽい設定で構図の確認とスピードライトの設定確認の為にテスト撮影しました。撮れた写真がこんな感じ。

f:id:shuinout:20220126002912j:plain

Nikon Z 6, NIKKOR Z 35mm f/1.8 S, 1/6s, F1.8, ISO 250

まずは35mmの単焦点で試しました。スピードライトはGN60で1/1で照射の焦点距離は24mmで撮影しました。
GNとはガイドナンバーと言って、光の強さです。GNはスピードライト自体が持っているスペックです。GN60はスピードライトの中ではそこそこ大きい方で、1/1の強さということはGN60の強さで照射しているということです。
また、焦点距離とはレンズの焦点距離と似ていて、照射角とも呼ばれますが、24mmということは広い範囲に光が当たるような設定ということです。

焦点距離24mmで照射しているので、右側の建物や地面にまで光が当たっているのが分かると思います。

このスピードライトは雪を照射する目的で、それ以外の被写体には当てたくないんですよね。なので焦点距離を24mmから200mmに変更し、照射を1/16にしてもう一度試し撮りしてみました。

f:id:shuinout:20220126004921j:plain

Nikon Z 6, NIKKOR Z 35mm f/1.8 S, 1/6s, F1.8, ISO 250

暗い。
確かに、雪以外には当たらなくなりましたけども。
まあこれはこれでいいような気もしますが、撮りたかったのはもっと幻想的なイメージだったんですよね。
それで、再度強さを変えて撮ったのがこちらです。

f:id:shuinout:20220126005152j:plain

Nikon Z 6, NIKKOR Z 35mm f/1.8 S, 1/125s, F1.8, ISO 6400

やはり手前の提灯に光が当たってしまっている。
いや、これもこれでいいけど、やっぱり幻想的な感じはしないですね。

ここでレンズの画角が厳しいのではと考えるようになりました。
そこで、この雪降りしきる中、恐怖のレンズ交換をしました。
Z 24-200mmに交換をし、レンズ焦点距離60mmで撮影したのがこちらです。

f:id:shuinout:20220126005629j:plain

Nikon Z 6, NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR, 10.0s, F6, ISO 100

雪止んだ?
いえいえ、止んでません。スピードライトが弱いんですね。また露出が少しオーバー気味です。先ほどと同じ1/16で撮影しています。また照射角の焦点距離は200mmです。
ただこれはこれで……。

またズームレンズに交換した為、F値を下げられなくなってしまったので、露光時間を10秒にまで伸ばしています。

雪は写らなかったものの、スピードライトが余計なところに回ることもなさそうだし、露光時間を半分にし、スピードライトの光量を最初と同じ1/1にしてみたのがこちらです。

f:id:shuinout:20220126010426j:plain

Nikon Z 6, NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR, 5.0s, F6, ISO 100

お!雪が写り始めました。
雪は当然ですが、自然現象なので、自分好みの雪の形になるまで撮り続けるだけです。
そうして、撮れた写真が先にお見せしたこちらです。

f:id:shuinout:20220124224849j:plain

Nikon Z 6, NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR, 5.0s, F6, ISO 100

これはいい雪の形ですね。

この写真を撮影したのが6時41分。最初の1枚を撮影したのが6時18分。じつに20分以上粘って撮っているわけですが、正解に辿り着くの遅すぎですね。もっと素早くセッティングできるようになりたいものです。

雪景色を撮影するときの考え方

今回は日の出前の暗い時間の撮影であった点も考慮する必要があるのですが、まずは雪を撮影するときに、何を考えているか、どんな目的で設定しているかお話します。

絞りは開放

これは暗いからという理由だけでなく、照射した雪を玉ボケにしたいので、なるべく開放にし、かつメインの被写体と照射された雪の距離を取ってあげることで、綺麗な玉ボケの雪になります。

露出はアンダー気味

雪に光を照射して、反射した雪が玉ボケになるのですが、背景や被写体が露出オーバー気味だと、雪が全然目立たなくなってしまいます。
なので、露出は少しアンダーにして、雪と背景に明暗差ができるようにして撮るのがコツなんですが、あまりにアンダーにしてしまうとただ暗いだけの写真になってしまい、今回のように夜の写真ならいいのですが、昼間だと雰囲気が全然違ってしまうので、明暗差のバランスに気をつけたいですね。

とにかく撮りまくる

設定が決まったら、とにかく撮りまくりましょう。
繰り返しになりますが、雪は自然現象なので、好みの配置になるまで撮り続けるしかありません。なんならインターバル撮影してもいいまであります。

反省点

今回、かなり良い写真が撮れたのではないかとウキウキなのですが、反省点もあります。反省点というか、こうだったら良かったなって思うことですね。

標準大三元があれば

先ほど考え方のところで、F値はなるべく開放にするのが良いとお話したのですが、Z 24-200mmという便利ズームを使った為、開放F値が60mmだとF6という暗さになってしまいました。

これはこれで良かったのかもしれません標準大三元であるNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sがあれば、もっと雪がうるさいボケの写真が撮影できたのかなと思います。
中古価格で25万円か……。レンタルという手段もありですね。1日4000円とかでレンタルできたりしますね。

www.maprental.com

もっと距離をとって望遠で撮っても良かった

これは僕の悪い癖なのですが、1枚気に入った写真が撮れてしまったら、他の構図や他の焦点距離など工夫をやめてしまうことです。
今撮れたもので満足しちゃダメで距離を変えたりいろんな角度で撮ったり構図を変えたりすることで写真のバリエーションが増えて、もっといい写真が撮れたりするんじゃないかなと思います。

セッティングが遅い

プロはもっと早いんだろうな。プロのフォトグラファーの方と会ったことないのでわからないですけど。
先ほども言いましたが、セッティングに20分かけています。その間に雪が止んでしまったら最悪でした。運良くこの日は夕方まで降り続いてくれたので良かったですが。
もっと早く追い込めるようになる為にはもっと練習、場数が必要ですね。

逆に、雪の撮影はたまに降った時に自宅のベランダで練習していたので、それは良かったなと思いました。スピードライトもたまに接続できなくてシャッター切っても光ってくれなかったりするんですが、そのことをわかっていたので光らなくても焦らず対処できたのも良かったです。

大変満足しています

ともあれ、大変満足しております。
あの日あの時間あの場所にいられたのは本当に奇跡に近いので、良かったなと。

この冬にもう一度くらい雪の撮影できたらいいなと思います。

今日はこの辺りで。