こんにちは、shuheiです。
先日、久しぶりの天の川撮影で真鶴まで行ってきました。その際、赤道儀を使った追尾撮影に挑戦してきたので、スカイメモSWについて紹介したいと思います。
それでは本日もよろしくお願いします。
新月期、真鶴、天の川
5月中旬、趣味の天気予報観察をしていたところ、新月期の夜間、雲量がめちゃくちゃ少ない日があったので急遽天の川撮影をしに真鶴に向かいました。
何度か訪れている真鶴の三ツ石は、都内からのアクセスも良く、お気に入りの天の川撮影スポットです。
スカイメモSW
今回は赤道儀による追尾撮影に挑戦したくてケンコー・トキナースカイメモSWを持ってきました。
星景写真は非常に暗い環境で星の明かりを捉えなくてはならないのですが、ISOを上げればノイズが増えてしまう、シャッタースピード15秒を超えると地球の自転により星が点像にならず流れてブレてしまいます。
スカイメモSWのようなポータブル赤道儀は、星の日周運動に合わせて雲台を回転させることで、30〜120秒のような長時間露光をしても星を点で捉えることができます。反面、カメラは日周運動に沿って動いてしまう為、地上風景はそれだけ動いてしまいます。
今回は地上風景と星空を分けて撮影し、後でPhotoshopで合成する新星景写真に仕上げてみます。
構図作成
まずは地上風景をベースに構図を作ります。方位と被写体となる三ツ石を見て、最終的にいい感じのところに天の川が来るように数時間後を予測して構図を決めます。
構図が決まったらまずは地上風景を撮影します。
非常に暗いので長時間露光をします。1回60秒ほどのシャッタースピードでインターバル撮影をします。
地上風景の撮影なので赤道儀は動かしません。当然星は日周運動により流れていきますが気にせず撮っていきます。
ある程度の枚数が撮れたら次に星空の撮影をします。複数枚撮影したのは暗所ノイズを加算平均合成で打ち消す為です。
星空撮影
とうとう赤道儀の出番です。
構図を決める為に既に赤道儀はセッティングされていますが地上風景撮影時は動いていなかったスカイメモSWの電源を入れます。
電源を入れたら日周運動とは反対方向に150秒ほどかけて逆回転を掛けます。
これから1時間インターバル撮影をするのですがちょうど半分の30分経った頃に水平線が真っ直ぐになるようにスタート位置を調整します。
スカイメモSWは12倍速で動かせるので30分=1800秒を12で割った150秒間逆転させると30分巻き戻った状態でスタートができます。
そして今回はシャッタースピード30秒、ISOを6400にしてインターバル撮影を始めます。撮影間隔は1秒です。
地上風景の時は60秒だったのに星空を30秒とした理由は、赤道儀のセッティング精度が甘く、60秒だと星が流れてしまったからです。
今回の撮影地は星景写真を撮影するには少し明るい場所で、極軸望遠鏡による北極星の導入がうまくできない為、極軸微動雲台を適度に北に向けて、角度は事前に調べた真鶴の緯度に設定しました。焦点距離35mm、露光時間30秒であればこの程度の精度でも点像に写るのであまりシビアにセッティングしなくても大丈夫です。これが200mmとか400mmの望遠で星野写真を撮ろうとすると精度が求められると思います。
RICOH GR IIIでの撮影テスト
さて、インターバル撮影を始めてしまうと1時間退屈になってしまうので、その暇を使って先日購入したRICOH GR III Diary Editionでの星景撮影テストをします。
レンズスペックは35mm換算で28mm F2.8。今でこそ暗いと言われますが5〜6年前まで星景写真撮影はF2.8より明るいレンズでと言われていましたので、ワンチャンこれでも撮れるのでは?と思い、テストとして撮影してみました。シャッタースピードは10秒、ISOは6400です。
さすがにイメージセンサーの暗所耐性に差があったのでしょうか、同じAPS-CセンサーのNikon Z fcと比較してもノイズがかなり乗っていることがわかります。
こちらは先日リリースされたLightroomのAIノイズ除去機能を使って現像してみましたが、カラーノイズが結構乗ってしまっていますね。
撮れなくもないですが、これでいいやという訳にはいかないクオリティであることはわかりました。
虫刺されと水没
さてZ 6での撮影は順調でしたが海辺での撮影の為、困ったことが2点。
まず虫刺されが酷いこと。いつものことなので長袖長ズボンで行ったのですが手の甲と微妙に出てしまう足首を狙われ数日間痒みとの戦いとなりました。
そして潮が満ちてきてしまい、三脚が海水に浸かってしまったこと!
淡水ならまだしも海水はやばいです。グリスアップされた金属も水に濡らし塩をまぶすだけで1〜2時間で錆びついてしまいます。
でもまあ濡れてしまったものは仕方がない。あと5分だけ!と粘り、いよいよとなり退散しました。
この辺りはちゃんと養生しておくべきでしたね。次回からビニールの靴下を履かせて対応しようかな。
自宅で現像とレタッチ
まず地上風景の固定写真と星空の追尾写真に分け、それぞれ現像をします。現像と言っても簡単にホワイトバランスを整えるだけに留めます。
またこのタイミングで飛行機や人工衛星、流れ星などが入り込んでしまった写真を間引きます。
次に地上風景と星空風景を別々にスタックします。スタックにはPhotoshopの加算平均合成か、Starrytrackerというソフトを使います。
できた地上風景と星空風景を合成、天の川が目立つようにトーンの調整をし、完成したものがこちら。
ひとまず納得いくものができました。
今回使用した機材
今回はNikon Z 6 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 Sの組み合わせで撮影しました。
またポータブル赤道儀にケンコー・トキナー スカイメモSW、極軸微動雲台、三脚にはLeofoto LS-224、雲台は同じくLeofoto LH-25です。
新星景写真は制作過程の通り合成写真ですのでこれまでとはちょっと違うジャンルの風景写真です。
機材のセッティングも撮影時間も撮影後の編集作業も大変なので頻繁にできるものではないですが、今後もたまにやっていこうと思います。
今日はこのあたりで。