こんにちは、shuheiです。
PBP走行編、今日はDay2。Stage3からStage6の中盤までです。
それでは本日もよろしくお願いします。
- Stage3 いよいよPBP本番へ
- Fougères 292km 8/21 9:50
- Stage4 タンテニアックへ
- Tinténiac 353km 8/21 13:25
- Stage5後半 ルデアックへ
- Loudéac 435km 8/21 18:49
- シークレットコントロール Canifuel 476km 8/21 22:20
- St-Nicolas-du-Pélem 482km 8/21 22:42
Stage3 いよいよPBP本番へ
8/21月曜日、時刻は5:41。8/20 19:00にスタートをして202kmを走り、およそ10時間40分が経過していました。仮眠を1時間以上取ったことを考えると自分の中では国内ブルベではなかなか考えられないタイムを叩いていました。少なくとも過去最速で200kmを走っていたと思います。
PBP2023は1,225kmを90時間で走ります。折り返しであるブレストは604kmでクローズタイムがスタートから40時間19分と通常の600kmブルベと遜色ないタイムで走って折り返す必要がありました。
PBPは通常夜スタート。一般的な600kmブルベが一晩しかないことを考えると、ブレストに到着するまでに普通の脚力の人で二晩越さなくてはならない為、むしろ通常の600kmブルベより若干タイム感が厳しい設定となっています。
コントロール1、ヴィレンヌを出るとそこから本格的なアップダウンが始まりました。
斜度も少しきつめの坂が増えて来て、今までのように数キロ緩やかに登って緩やかに降るような道ではなく、明確にアップダウンが続くような道になりました。
トレインもまばらになり、たまに足の合う集団もあるのですが、登りで突き放されてしまう為、ここから当分単独走となりました。
ヴィレンヌから30kmほど走った先に、かなり大掛かりな私設エイドがありました。
朝食をおざなりにしていた為、10分ほど滞在して朝ごはんとコーヒーをいただきました。
個人でやっていそうな小規模なエイドはいくつかあったものの、WPに近い規模のエイドは全体通して数箇所しかなかったように思います。
7時を過ぎるとようやく太陽が登って来て朝が来ます。
PBP初めての朝です。
出走前にどなたかのYouTubeで見かけた綺麗な街並み。あまり余裕はないものの、足を止めて写真撮影。
朝になると町のカフェが開く為、多くのランドナーが立ち寄っていました。
僕はそんな余裕がなくひたすら前へと進みます。次回チャンスがあればこんな優雅なモーニングを楽しみたいですね。
Fougères 292km 8/21 9:50
かなり大きな街にやってきました。
PBP出走して以来の大きな街で、10時近い時間になると都市部のように車がひしめき合っていました。
Fougères(フジェール)のコントロールもなかなか広く、サインをもらうコントロールとレストランが別の建物で100m近く離れた建物にあったり、集まっている人数もかなりの規模でした。ルデアック、ブレストについで3番目に規模が大きかったかも。
PBPのコントロールでは多くが学食スタイルのレストランと、売店スタイルのカフェの2種類があります。たいがいカフェの方が列が短く比較的短時間で買い物ができるのですが、ここフジェールではカフェも非常に列が長かった為、街の規模も大きかったこともあり、コントロール付近のお店で食事をすることにしました。
そこで立ち寄ったのがこちらのパン屋。
パティスリーにも見えますが、PBP名物サンドイッチジャンボンを買って走りながら食べることにしました。
Stage4 タンテニアックへ
予定より2時間近く早くフジェールを後にしました。しかしこの貯金はゆとりを生むためのものではなく、睡眠時間にあてるためのもの。当初の予定では今夜も90分ほどしか眠れないので、ここで作った貯金で睡眠時間を増やそうという作戦です。
ひとつ誤算だったのは日中の暑さ。
国内での情報収集ではとにかく夜の寒さで、最低気温を10度を下回る可能性すらありました。日中の暑さも30度を超えることはあまり想定しておらず、基本的には暖かい格好で日中の暑さは多少我慢する戦略でした。
しかし、日中の気温は30度を軽く超える暑さ。モンベルのスーパーメリのウールEXPではさすがに暑すぎたのです。
先ほど購入したサンドイッチを食べながら、汗で流れ出た水分をボトルから補給しながら、それなりの強度で走っていると段々と自分の胃腸が弱っていくのがわかりました。
長めの坂を登り切った先にはだいたい町があります。
そして町中のヒルクライムの先には大きな教会があるので、教会が見えたらあと一息となるのがPBPの常でした。
フジェールを出て2時間後、町に入ったすぐにパン屋があったのでそこでオランジーナ休憩を取りました。時刻は11時。フランスでこの時季最も暑くなるは15時〜17時くらいなので先が思いやられます。
Tinténiac 353km 8/21 13:25
Tinténiac(タンテニアック)に到着しました。この時点でおよそ2時間も予定より早く到達できていました。今夜はなかなか贅沢に眠れそう。
ただそうは問屋がおろさなかったのです。
東京ほどではないにしろ、やはり暑さが非常に堪える時間帯となっていました。
タンテニアックからWPのケディヤックまでおよそ25km。
このあたりからアップダウンもいっそう厳しくなっていきました。斜度も時々7〜8%を超え、国内の峠道と遜色ない登り方をしなくてはならなくなっていました。
しかし、そこで先月7月に実施していたSR600 Fujiの経験が活きます。
今も辛いが、あの時はもっと疲弊して足も回らなくなっていた。そんなことを思い出しては、まだ余力があると安心できると精神的には非常に楽でした。
それでも暑さや胃腸の不調にやられてしまい、とうとう足をついてしまいましたが、SR600で学んだこと、それは激坂は歩いた方が進めるし休憩になるということ。
近くを走っていた日本人ランドナーの方に心配をさせてしまい「いっそのこときちんと休憩した方がいいですよ」と助言をいただきました。
ですが、歩きながらでも進むことで休憩をしながら距離を縮められる、なおかつ激坂を体力を使うことなく越えられる一石三鳥の考え方ができていました。
しかし徐々に走ることと食事をして消化することを同時にできなくなっていることにも気づきました。消化が済むまではパワーを抑えめにして少し時間をかけながらWPのケディヤックに到着しました。
Quédillac(ケディヤック)はコントロールではないので、当然立ち寄る必要もないのですが、先ほどのダメージを少しでも解消する為、またなるべく立ち止まって補給をする為に立ち寄りました。
これまで意識していませんでしたが、テントの奥に充電スペースを発見。
トップチューブバッグにはまだ10,000mAhのモバイルバッテリーが1/4以上残っていた為ここでは当然スルーしました。
そういえばここケディヤックはイタリアのドロップバッグがあるポイントでした。
多くの国がルデアックをドロップバッグの拠点としていたのでこれはなかなか意外でしたね。
ここまで来ればあとはドロップバッグが置かれているルデアックまで60kmを切っています。まだまだ暑い時間は続いていましたが、食事の消化も済みだいぶ落ち着いてきたので先を急ぎます。
時刻は15:53。378km地点でスタートから21時間が経過しようとしていました。
Stage5後半 ルデアックへ
まもなく400kmを過ぎようという頃。ルデアックはスタートから435km地点のコントロールです。
過去のデータを見ているとルデアックに24時間以内で到着できていればPBP完走がだいぶ見えてくるというラインです。ただ僕は国内の400kmブルベでも24時間を切れるようになったのはかなり最近のことだったので、当初の想定では良くて25時間、悪くて27時間程度かかると考えていました。
ですがやはり想像以上に信号がないこと、アップダウンはあるものの下りでそれなりに稼げるということ、比較的追い風であることが後押しとなって結果的にルデアックを24時間以内に到着するという目標を達成することができました。
Loudéac 435km 8/21 18:49
およそスタートしてから24時間が経過しました。ようやく全行程の1/3ほどが進行しています。
このコントロールではドロップバッグから着替えと備品の入れ替えを行い、着替えをしてすぐに出発の予定です。
何度か言及していますが、当初はもっと寒いことを想定していたので、この時点で着替えもかなり厚着のものに着替えることになります。
モンベルのスーパーメリノウールEXP.をインナーに、CCN Japanの冬用のフリースジャージを着込むつもりでしたが、当然そんな服装だとこの時間の暑さにやられてしまいます。
ドロップバッグから取り出したのはほとんどが防寒対策のもの。
- フリース
- フリースジャージ(ウェア交換)
- フリースロングビブ(ウェア交換)
- モンベルスーパーメリノウールEXP.ロング(インナー交換)
- モバイルバッテリー10,000mAh(空っぽのものと交換)
- Gaciron V9SP-1260(片方だけ交換)
ただ交換をした現時点で気温はまだ30度前後はありそうなので、フリースとインナーは着ずにフリースジャージと反射ベストだけで走り出すことにしました。
サドルバッグにも収納できそうでしたが、出し入れに時間がかかってしまいそうだったので急遽所持していたアタックザックにレインウェアとインナーを入れて持ち運ぶスタイルに変更。これくらい軽い荷物ならザックに入れて背負ってもそんなに負担にならないはずです(そもそも着ることを前提とした装備ですしね)。
そして日本では飲んだことのない胃薬を飲んで復活を祈ります。まだ2日目、こんなところで弱るわけにはいかないのです。
シークレットコントロール Canifuel 476km 8/21 22:20
ここまで来れば、今日の残りの行程は46km、2時間半かからないくらいで仮眠所のあるサン=ニコラ=デュ=ペルムに到着する予定です。
あと10kmほどで到着かという辺り、何やら人が集まってアーチもあり「大掛かりな私設エイドかな?」と思っていたらなんとCanifuel(カニユエル)という町のシークレットコントロールでした。
シークレットコントロールは事前に告知がないクローズ時間も設定されていないコントロールのことで、ここをスルーしてしまうと完走したとしても認定を受けることができません。
過去2回の傾向ではWPがシークレットに設定されることが多かったのですが、WPは立ち寄らなくてもよいという性質上、間違えてスルーして認定を受けられなかった人が多く、大会運営側が配慮したのかな?と推測しましたがどうなんでしょう。
St-Nicolas-du-Pélem 482km 8/21 22:42
シークレットも無事通過し、20分ほどでサン=ニコラ=デュ=ペルムに到着。
アップダウンも比較的少なめで気温も下がって来ていた為すんなりと辿り着いた印象です。それくらい日中の気温がキツかった……。
出発は翌日2時半ごろ。3時間も仮眠が取れることとなりました。
ここの仮眠所はブランケットはもらえませんでしたが、暖房が効いていて非常に暖かい環境でした。
ブルベ中3時間も睡眠が取れるなんてほぼ天国ですね。
持参していたアイマスクと耳栓を付けて、翌日2時まで眠ります。
今日はこのあたりで。