【DNF】7月の酷暑日に低体温症になりかけてDNFしたSR600Fuji

こんにちは、shuheiです。

先日SR600 Fujiという600km、累積標高10,000mを超える山岳ランドヌールに参加してきました。PBPの前哨戦として、これまで2DAYしか経験していなかった為、ランドヌール部門でエントリーしましたが、残念ながら敗退してしまったので貴重な敗退記録を残そうと思います。しくじり先生俺みたいに登るな。

それでは本日もよろしくお願いします。

DAY1 8:20 JR高尾駅スタート 0km

当日は曇り。予報では酷暑日となる3日間だったのだけど日差しがないだけでずいぶんと楽です。荷物も装備もほとんどいつものブルベスタイルで出発します。だいぶこの装備にも小慣れてきました。

DAY1 11:22 PC1 山伏峠 45.5km

高尾を出て、あきるのを抜けて街道をひたすら北に向かいますが、信号が多く意外とストップアンドゴーになりますが、3時間ほどで山伏峠まで来ました。残り数キロの登りが大変でしたが後のことを考えればキツくもなんともないなと今なら思います。

ここから市街地までダウンヒルです。

DAY1 12:01 セブンイレブン秩父横瀬店 57.0km

スタートして4時間ほど。いつもの平坦ブルベであれば90km過ぎている頃ですが、やはり山岳コースは時間がかかります。しかしその分変化に富んでいてメンタルはまだまだ新鮮な状態です。

曇り空とはいえ暑いのでいちごバナナソイスムージー

DAY1 16:05 ローソン松井田バイパス店 127.3km

ちょこちょこと登り続け、碓氷峠の手前まで来ました。もう少し早く来れればこの先の峠の釜飯が食べれたのですが、仕方ないですね。登坂力Cなので……。

DAY1 17:19 PC2 めがね橋 133.2km

ゆるゆると登ってめがね橋に到着。

ここにくるのは二度目ですが、やはり登りやすいちょうどいい坂でいいですね。

途中キツネに出会いました。

RICOH GR III, 1/100s, F2.8, ISO 3200

普段はあまり使わないGRで撮影。

そしてとうとう長野県に到着しました。

前回碓氷峠を登った時はここで折り返してしまったので軽井沢方面に行くのは初めてです。

さあここから長いダウンヒルが、というのは勘違いで、そのままスッと軽井沢市街地に入りました。

よく考えたら軽井沢も初めて来ましたが、道沿いにおしゃれなカフェやお店が立ち並んでいました。最近流行りの観光地って感じのオシャレさ。

 

さて、ここからが本日の本番。軽井沢から長野原、そして長野原から草津にかけて名もなき峠を闇の中登っていきます。

DAY1 20:46 セブンイレブン長野原大津店 181.4km

長いダウンヒルを超えて長野原まで来ました。ここで別のSR600 上毛三山を攻略中の2人組とお話させてもらいました。

SR600 Fujiはすでに攻略済みのようで、明日の菅平高原と麦草峠が鬼門だと教えてもらいました。マジだった。

二人と別れを告げ、本日最後のヒルクライムに入ります。

草津には何度か来たことありますが、そういえば毎回車で通るたびに「この坂自転車だったらきつそうだなあ」とぼやいていたのを思い出しました。きついってもんじゃなく、長く厳しい初日の大ボスといったところ。途中よくよるセブンイレブンを見かけましたが心を鬼にして登りました。

DAY1 22:22 草津ユースホステル 193.1km

ようやく本日の宿に到着しました。

写真はまだ少し手前ですがドミトリーのホステルにチェックイン。ブルベの途中でシャワーを浴びて着替えもできてそれなりの睡眠時間が確保できるなんて素晴らしすぎる。

DAY2 4:35 草津ユースホステル 193.1km

翌朝、4時前くらいに起床。準備を済ませて国道最高地点に向かいます。

昨日と違って雲が少ない。今日は暑そうです。

DAY2 5:18 渋峠 200.0km

RICOH GR III, 1/160s, F8, ISO 125

こちらも人生二度目の渋峠です。前回はゴールデンウィークの時期で大雨の中登りましたが、今日は怖いくらいの晴天。まだ早朝だし標高も高いので気温自体はそこまで高くありませんが、日差しの強さを感じます。

ただ明らかに前回登った時よりきつい。昨日のダメージがあるのか荷物が重いのか分かりませんが(でも前回はZ6背負って走ってるんだけどな)なかなか前にというか上に進みません。

とうとう速度が6km/h下回ってしまった為、諦めて自転車を降り押し歩くことにしました。徒歩での速度は5〜6km/hほど。漕いでも歩いてもさして速度が変わらないなら歩いた方が体力も温存できます。

DAY2 7:18 PC3 日本国道最高地点 207.8km

たったの14kmを登るのに3時間近くかけてしまいましたが、景色は最高です。

少し肌寒いですが、日差しが強いのでこのままダウンヒルに。

RICOH GR III, 1/250s, F8, ISO 125

ダウンヒル中、最高の景色が目に入ったので止まって撮影。

紅葉の季節もすごく綺麗そうです。

DAY2 8:13 PC4 道の駅北信州やまのうち 234.6km

超高速ダウンヒルであっという間にPC4に到着しました。下界暑過ぎ。

ここで何かアイスでも食べようかなと思ったのですが開店が8:30だったのかな、まだ空いていなかったので先に進むことにしました。

DAY2 9:32 ファミリーマート信州須坂亀倉店 260.0km

PC4からじわりじわりと登りが始まります。暑さもなかなか本格的になってきました。

菅平高原への登り手前でコンビニ休憩を挟みます。

気を抜くと汗がぼたぼた落ちてくるので冷麺に汗が入りそうで困りました。ここのコンビニはイートインがあったので非常に涼しい。レジで軽減税率で計算されない様にイートイン使いますねと言ったらどうぞーとのことでした。それでいいんだっけ?

 

ここから菅平高原まで10kmほどの登りです。

薄々感じていましたが、峠と名の付くピークまでの坂と、高原がピークの坂だと高原までの坂の方が圧倒的にきついです。理由はあんまり九十九折りにならず、きつい斜度なのに一直線みたいなバカ坂が高原には作れちゃうからだと推測。本当かは知らないけど、ヤビツ峠もスタートから3kmくらいまでの市街地ゾーンが一番きついじゃないですか、あれと一緒で九十九折りになると案外楽説はあると思います。

で、菅平高原への坂はどうなのかというと、ほぼ直進高勾配、日陰ほぼ無しの馬返しならぬロードバイク返しな坂でした。

たったの10kmが全然終わらない。ヤビツ峠が13kmほどで1時間もかからないのに、こっちは2時間かかりました。

DAY2 12:07 PC5 菅平高原 269.5km

ようやく高原に到着しました。登ってる最中はずっと絶望していますが、登り終わると次のことを考えてる。これだからランドヌールというやつは。

ちょっとiPhoneの調子が悪く、なぜか望遠レンズしか使えない事態になってしまいましたが、なんとか認定用の写真を撮りました。熱でイカれたか。

 

ここからはお待ちかね、高速ダウンヒルが始まります。

ただ一度ブレーキ操作をミスってしまい、カーブで曲がりきれず反対側車線に乗り出してしまいました。幸い対向車が来ていないタイミングだったから良かったのですが、少し慎重に下ることに。怖い怖い。

DAY2 13:08 PC6 信濃国分寺 295.2km

下界暑すぎる。一番暑い時間帯に今日一番気温の高そうな場所に来てしまいました。

しかも車も多く、排気ガスのせいもあってサウナ状態です。自転車に乗ってる方が涼しいと感じるはなかなか厳しいですね。

PC6で写真を撮り、次の休憩ポイントに向かいます。

DAY2 14:09 ローソン丸子腰越店 310.0km

ここのコンビニを過ぎると次のコンビニは白樺湖のローソンまでありません。途中おみやげコーナーに寄って水の追加はしましたが、補給食を入手できるのはここのコンビニが最後でしょう。

ジャージの背中ポケットを補給食でパンパンにした上で、サドルバッグにも補給食を詰めて長い長い登りに入ります。

DAY2 18:12 PC7 道の駅美ヶ原高原美術館 332.2km

4時間ほどかけて登ってきましたが、斜度自体はそこまでキツくなく、押して歩くことも少なかったです(でも歩いた)。

なかなか気温も下がってきましたが、まだ暑さが残っていたのでこのまま進みます。

ここから霧ヶ峰まで長めのアップダウンが続きますが、突然のゲリラ豪雨

途中すでに営業が終わってしまっている茶屋で15分ほど雨宿りをしましたが、全然止みそうにないので、仕方なくレインウェアを着込んでこのまま進むことにしました。

あたりは真っ暗ですが、アップダウンの繰り返しで寒さはあまり感じません。

すでに汗だらけのウェアに雨水も浸水してきてびしょ濡れになってしまいましたが、気にせず進みます。白樺湖のローソンのクローズ時間が22時なので、それまでにはできれば辿り着きたい。

このSR600 Fujiは制限時間60時間ですが、途中PCのクローズ時間は設定されていません。なので基本的にどこで寝てもOKで、最終的に辻褄が合えばいいのですが、こういうコンビニやホテルのチェックインなどで実質的なクローズ時間がたまにありました。

DAY2 21:25 ローソンビーナスライン白樺湖店 375.4km

暗闇の霧ヶ峰からダウンヒルしてなんとか白樺湖のローソンに到着しました。

白樺湖、完全にリゾート地ですね。

ただ店内はエアコンがガンガンにかかっていて体が震えてきてしまいました。イートインで食べなければ良かったなと反省。ぶっちゃけこのイートインを選択したことが最大のミスだった可能性があります。

DAY2 22:47 PC8 女の神展望台 378.1km

蓼科までの最後の登りを終えて、降り始めた直後にまったく展望のない展望台に到着しました。

当然完全に闇なのでフロントライトで自転車を照らしながら認定用写真を撮ります。

ちなみに調子が悪かったiPhoneは再起動を繰り返すことで復活を果たしました。

 

ここからさらにダウンヒルを続けますが、少し眠気がやってきました。

もう絶対に無理ってほどの眠気ではないのですが、念の為少し仮眠を取ることにしました。蓼科高原、23時を回る頃でした。

DAY2 23:34 蓼科高原 390.0km

15分ほど仮眠をして、腹ごしらえに補給食を食べながら次の麦草峠までの距離と標高を確認。そうか麦草峠2,000m超えで渋峠に次ぐ国道で2番目に高い地点なんですね。

しかしふと我に帰るとびしょ濡れのウェアと先程のコンビニのエアコンで体が冷えに冷えてしまっていました。この状態で標高2,000mまで上がってしまったら低体温症になりかねないと考え、ここでDNFを決断しました。

 

蓼科高原から麦草峠を越えずに迂回すれば10kmほど節約になるし降り基調で宿に向かえる最後の分岐点だったということもDNFの判断材料だったのですが、ここからも大変でした。

蓼科高原から確かに5kmほどはダウンヒルで、暗いとはいえ直進で見通しも良かったので順調に降っていたのですが、降り切ったところから清里まで残り30km、ずるずると登りが始まりました。ここにきてまだ登れというのか。しかし登らないと宿にはつけない。都市部と違って電車も当然ないしタクシーも走っていないのです。

だんだん疲れてきてしまって、途中で仮眠を取ったり大したことない坂も歩き始めてしまったり、仮に雨で体が濡れていなかったとしてもフィジカルが限界だったのでしょう。このまま麦草峠に突入していたらやばいことになっていたかもしれません。

DAY3 3:30 清里ペンションいずみ 436.5km

そんなこんなでDNFを決めてから4時間かけてようやくペンションに辿り着きました。

オーナーのご好意でシャワーも浴びさせてくれ、朝までぐっすり眠りました。

大人の夏休みはこれにて終了です。

反省点

RICOH GR III, 1/400s, F8, ISO 800

翌朝、清里駅から輪行で帰ることにしました。もはや自転車に乗る気力も体力も残っておらず、SR600 Fujiの険しさを感じています。

フィジカルが足りていなかったとはいえ、時間的にはそんなに問題になっていませんでした。DNFを決めた寒さも、そこから700mアップしたところでさっきまで元気にダウンヒルしてたんだから、レインを着れば寒いとは思うけど降ることはできたんじゃないかと冷静になって考えました。

敗戦の牛めしを特急で頬張りながら、色々と反省点を考えました。今の僕の目標はあくまでもPBPの時間内完走であり、そのためのデータを取ることがSR600 Fujiで最も大事なことでした。

その点で言えば3日目走れなかったことはちょっと痛い。ただ連日走る上でのヒントも得られたのでいくつかまとめようと思います。Twitterにあげた内容ほぼそのままですが。

無理は初日にしよう

行程を190km、250km、140kmに分割してしまうミス。草津までは緩くて長い坂、渋峠から麦草峠まではキツい勾配で休憩が少ない、野辺山駅あたりからは比較的下り基調なのに、二日目に最も過酷な行程にしてしまった。せめて初日渋峠を越えておくべきだったかも。

宿のチェックインを考えよう

宿のチェックインに縛られて無理な走行をしてしまった。結果的に足の売り切れに繋がってしまった。

各峠の通過タイムをちゃんと見積もろう

それぞれの峠の通過タイムを感覚ではなくStravaなどで見積もっておけばもう少し正確な行程が作れたかもしれない。端的に見積もりが甘かった。

雨対策が甘い

夏だし多少の雨なら暑さ対策にな?と思ってたけど夜間の標高2000m付近でびしょ濡れで低体温症になることはあんまり想定してなかった。山屋なのに。不覚。

 

次回はBRM722埼玉400白河センテニアルです。PBP前最後のブルベ。ロングライド。

今日はこんなところで。