PBPを完走する技術(出走前夜)

こんにちは、shuheiです。

2023年8月、フランスでブルベ最高峰のイベントParis-Brest-Paris Randonneur 2023(PBP)が4年ぶりに開催されました。

4年に一度だけ開催される特別なブルベ、この第20回という記念すべき大会に出走してきました。

 

初めてのヨーロッパ、初めてのフランス、初めての海外ブルベ、初めての海外輪行と本当に初めてばかりの旅でしたが、本当に楽しい旅でした。

 

それでは本日もよろしくお願いします。

PBPについて

フランスのパリ郊外の町、ランブイエからブレストまで往復する1,200km90時間以内で走り切る自転車のイベントです。

これに出場する為には2022年11月から2023年6月までの間に200km300km400km600kmのブルベを最低一回以上時間内に走り切り、Super Randonner(SR)の称号を取得していなければなりません。

 

今年度、初めてSRを取得し、初めてPBPに出走します。

出国前夜

8/17木曜日、翌日のフライトに備え、羽田空港付近のホテルに前泊し、翌朝8/18金曜日午前6時にホテルからのシャトルバスで羽田空港第3ターミナルに到着しました。

この日は直行便乗継便含め、PBP参加者がパリ入りするにはほとんど最後のタイミングだった為、空港内でもバイクケースを抱えた人をたくさん見ました。恐らく50人以上の日本人がバイクケースを抱えてフライトを待っていたのではないでしょうか。

出国

バイクケースと預け荷物であるバルトロを預け、保安場で手荷物と身体検査を受けてフライトまで準備完了。

手荷物に入れたモバイルバッテリーは総量50,000mAh、フロントライト4本も含めると70,000mAh近く。何か指摘されるかなと思いましたが何事もなく通過できました。

また、預け荷物に入れたチェーンオイルは危険物と見られる可能性があった為、メーカーの安全データシートを印刷してきたもののこちらも完全スルーでした。

あまりの自転車の多さに空港内もバタついていたのかもしれません。

事前申告のない自転車は別便で送らないと貨物室に入りきらないかもしれないという発言もあったと言われています。確かにANAでは三辺203cm以下の荷物については事前申告も追加料金もなく預け入れができたはずです。想定を超えるバイクケースの量だったのでしょう。

 

かくして14時間もの空の旅を経て、8/18金曜日16:50シャルル・ド・ゴール空港に到着。

予約していたタクシーとなかなか合流できず、予定より3時間も遅れてオテル・キリヤード・サン・カンタン・アン・イヴリーヌに到着。

時刻は21時前でしたがまだ辺りは薄明でした。さすがフランス。

前日受付

8/19土曜日、時差ボケもあってか朝6時に起きてしまいました。

ホテルの朝食はパンを中心としたフレッシュなメニュー。

軽く腹ごしらえをしてからバイクの組み立てを始めました。

 

僕のバイクケースは横幅が狭く、リアディレイラーを外す他、シートポスト、ペダルはもちろんハンドルも外した状態でパッキングされています。

それらを丁寧に組み上げていきました。事前にショップでレクチャーを受けた通りの手順と各種気をつけるポイントを意識しながら。

シートポストは外す前にテープでマーキングをして高さがズレないように、ハンドルも角度がわからなくならないようにテープでマーキングし、それに沿ってステムに当てがって締め上げます。

海外輪行は初めてでしたが、飛行機輪行は何度も実績があった為、リアディレイラーの取り付けも手慣れたものです。

10時30分のランブイエ公園の国立羊小屋を目指します。

ホテルから一番近いトラップ駅からN線を利用してランブイエ駅へ。N線は自転車を分解したり輪行したりせずそのまま持ち運べます。

すでに数名のランドナーが乗り込んでいました。

20分ほどの鉄道旅を楽しんだらランブイエ駅に到着です。

 

到着した駅には無数のランドナー達がランブイエ公園に向かって走り出す準備をしていました。その中で何人かの日本人が先導してくれていたのでくっついて行かせてもらうことにしました。

自転車でおよそ3kmほどで事前受付会場に到着。

事前受付会場に着くと一人の女性が声をかけてくれました。

「アナタは日本人?」そうですと答えると、笑顔で「ついて来て」と言っています。あの髪の長い彼が日本語を話せるからそこに並ぶといいよと教えてくれました。

 

日本で印刷してきたエントリーシートとパスポートを見せると、ブルベカード公式反射ベスト公式記念ジャージフレームバッジフロントゼッケンヘルメットゼッケンを持って来てくれました。

受付の建屋から出るとそこではブレストまでの案内看板のレプリカと記念のドリンクボトルをもらいました。

 

早速反射ベストを着てみます。

国内でも時々このベストを着たランドナーと一緒にブルベに参加していましたがとてもまぶしく見えたものです。そのベストを今自分が着ていると思うと非常に感慨深いものがありました。

サン・カンタン・アン・イヴリーヌへ

ランブイエ駅のレストランで早めの昼食を摂り、一旦ホテルに戻りました。

自転車を置いて、明日のドロップバッグの準備をして、出走に不要なバイクケースやザックなどを友人に預ける為にサン・カンタン・アン・イヴリーヌのハイパーモールに向かいます。

今回日本から応援に駆けつけてくれた友人に荷物を渡し、早めにホテルに戻りました。時間は18時ごろ。

まだそんなに夜も遅くありませんでしたが、今夜は出走前夜。体を休める為に早めに眠りに付きました。

 

この頃、僕はまだあまり実感が湧いていませんでした。

 

ここまでスケジュール通りのことをスケジュール通りにこなしているだけ。受付会場では日本人の記念撮影などもあったようですが、事前に決めた予定と合わない為パスしました。

反射ベストに腕を通した時は少し感動しましたが、まだこれから1,200kmを走るということにピンと来ていなかったのです。

それは程よい緊張感とリラックスの中間にいるような、なんとも不思議な感じで異国を感じながらも全然浮かれていないどこか冷静な自分がいたのです。

 

ドロップバッグ預け入れ

翌日、8/20日曜日。午前9時半にタクシーでベストウェスタン・パリ・サン・カンタンへドロップバッグを預けに行き、そのままホテルに戻り二度寝

ドロップバッグは以前記事で紹介したものをそっくりそのまま放り込んでいます。

shuinout.hatenablog.jp

あとは15時に目覚め、17時に会場入りするだけの状態でした。

16時前にホテルを出て今回はサン・カンタン・アン・イヴリーヌ駅方面へ。

日曜ということもあってあまり飲食店は開いていませんでしたが、バーガーキングが開いていたのでそこで昼食と夕食の二食分を買って会場入りすることにしました。

よくマクドナルドは世界共通の味と言われていますが、バーガーキングも日本で食べるものとほとんど同じ味だったように感じました。

 

そして17時。

ついにランブイエ城スタート付近に辿り着き、スタート時間の19時を待つだけとなりました。

いまだに実感はありません。

 

それでは今日はこの辺りで。